政治と社会

 人間は社会的動物であるといわれる。確かに私たちは、社会から孤立した存在ではなく、家庭・学校・クラブ・会社などのさまざまな集団に属して、数多くの人間関係を結びながら社会生活を営んでいる。これらの集団は、それぞれに目的をもち、一定の規則や組織の下に運営され、さまあまな活動をおこなっている。その場合、社会の構成員としての個人は、性・年齢・職業・宗教などの違いによって考え方が異なり、時には利害が激しく対立することもある。
また、個人的な対立だけでなく、所属する集団や階層・地域の違いなどによって、国内の物価・住宅・交通・福祉の問題をはじめ、国際的な貿易・外交のあり方に至るまで、利害や違憲の対立は広い範囲にわたる。
問題がおこれば、話し合いなど何らかの方法で解決しなければならない。
このような社会集団における利害の調整や紛争の解決を、政治という。一般に政治と言うと政府や国会を思い浮かべると思うが、家庭や学校のクラスのような自分がかかわっている集団でも、絶えず政治がおこなわれている。私たちは、社会を構成する市民として、自分の意見や要求をできるだけ率直にあらわすと同時に、社会全体のことを考え、他の人の意見もよく聞き、理性的に判断し行動する必要がある。
社会生活を一定の秩序に従って運営していくために、国家という統治組織がつくられている。今日、世界には180以上の国家があり、すべての人びとはいずれかの国家に属し、その組織の中で生活している。
国家は、国民全体の幸福と安全を維持するために、国民の要求をまとめ、いろいろな紛争を解決し、外敵の侵入を防ぎ、国家としての秩序を維持している。
国家がその機能を果たすには、国民を従わせる力を必要とする。この力を政治権力という。この政治権力は、都道府県や市町村の地方公共団体にも認められている。

政治参加の意義

 国家や地方公共団体は、この政治権力を背景に政治をおこなっている。この権力は、特定の人のために、勝手に使われるようなことがあってはならない。国民や住民の生活を守り、その安全を確保するために行使しなければならない。そのためには、国民や住民の意思が政治に反映するように、政治に積極的にかわる必要がある。日本国憲法は前文で、主権が国民にあることを宣言し、国民を主権者と定めている。
主権は、国家の最高意思を決定する権力という意味と、国内的には、国家がその領域内のすべての人を統治する権力という二つの意味がある。この主権が君主に属しているか、国民の手にゆだねられているか、あるいは行使の形式によって、それぞれ国家のあり方が違ってくる。また、主権は国家の構成要素として、他国からどのような干渉をも許されない絶対的な権力という意味で用いられることもある。
 政治は、国民の代表者で構成される国会を中心に行われるが、国会議員を選挙するのは国民であり、国会は国民の思想を受けて国民のための政治を行う。このような国民による、国民のための政治を、民主政治という。国民による政治参加は、民主政治の基礎ということができる。